少年事件について

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あなたの大切な人が逮捕されたら

少年事件においても、あなたの大切な人が逮捕されると最長で48時間警察署の留置場に収容され、その後、検察庁に送致されます

“犯罪の疑いがあり、証拠を隠滅したり、逃亡したりするおそれがありやむを得ない場合”には長期にわたり身体を拘束される「勾留」となってしまいます。勾留期間は原則10日間ですが、さらに10日間延長されることもあります

あなたの大切な人を勾留するかどうかは検事が警察の収集した「疎明資料」をもとに判断します。
弁護人がついていない場合、逮捕されたあなたの大切な人を勾留する必要がない旨を示す資料は添付されません

犯罪の捜査のために警察はあなたの大切な人を逮捕し、検事にあなたの大切な人の勾留請求の判断を求めます。そのため、勾留請求の際に不利となる資料は添付されないのです。

軽微な事件、例えば万引きのようなケースも例外ではありません。警察に逮捕されると、警察の収集した疎明資料をもとに検事は簡単に勾留請求を行い、裁判所は勾留決定を下すのです

逮捕から48時間以内に送致され、検事の勾留請求判断の取調べの後、検事が再びあなたの大切な人を取調べするのはおよそ8~9日後。長期間にわたる勾留はあなたの大切な人を学校や職場から遠ざけ、退学・解雇となりかねない状況を生み出します

検事にあなたの大切な人を釈放する権限がある以上、検事にあなたの大切な人の釈放を求めることが極めて重要です

検事が初めて取調べをする逮捕直後の段階で弁護人を選任し、あなたの大切な人に有利な資料を検事に提出し、釈放に向けた動きをする必要があります。

家庭裁判所に送致されたら

検事は捜査を終了すると通常、勾留10日目にあなたの大切な人を事件記録とともに家庭裁判所に送致します

あなたの大切な人を弁護する弁護士はここで「付添人」という名称に変わり、捜査段階で弁護人を選任していても、あらためて付添人を選任する手続が必要になります。

送致を受けた日に“犯罪の疑いがあり、証拠を隠滅したり、逃亡したりするおそれがあり、収容して心身鑑別を行う必要がある”と家庭裁判所の裁判官が判断した場合、少年法の手続に則り審判(大人の裁判に該当する非公開の手続です)を行う準備のため通常、観護措置の決定を下します※。
(※)重大凶悪事件であり、成人の手続に則る必要があると判断した場合には家庭裁判所の裁判官は検察官送致(逆送)の判断をします。

観護措置期間は審判期日までの最長4週間。あなたの大切な人は、少年鑑別所で生活しなければなりません

家庭裁判所の裁判官は検事の収集した疎明資料をもとに審判開始決定及び観護措置の判断をします。付添人弁護士がついていない場合、逮捕されたあなたの大切な人を観護措置する必要がない旨を示す有利な資料は添付されません

少年事件となり審判で処分される以上、処分にあたり家庭裁判所に非行の度合いや家庭環境などの調査をしてもらう必要性はあります。
しかし、長期間の観護措置はあなたの大切な人を学校や職場から遠ざけ、退学・解雇となりかねない状況を生み出します

当事務所では在宅調査が望ましい事件について家裁送致時に観護措置をしない申入れを家庭裁判所に対して行うとともに、裁判官面接を実施し在宅での家庭裁判所による調査に切り替えるよう強く申入れを行います

また、勾留請求前に釈放されるような軽微事案の少年事件については“少年の環境に照らし合わせると、そもそも審判による処分に適さない”という場合が少なくありません。そのため、当事務所では審判を開始しないよう家庭裁判所に対して申入れを行います

審判にそなえて

審判の処分には「少年院送致」「保護観察」、中間処分である「試験観察」「不処分」の4つがあります。

「保護観察」「試験観察」の場合、あなたの大切な人が家に戻ってきて保護司のもとに定期的に通いながら社会の中で更生していく機会が与えられることになります(「保護処分」と言います。)

「不処分」とは
【1】非行事実なし(大人でいう無罪判決)
【2】非行事実は認定されたものの、保護処分として保護司の監督下に置かなくても良い
と判断された場合で、あなたの大切な人は家に戻ってくることができます

「少年院送致」とは、あなたの大切な人が一定期間矯正教育施設に収容され、あなたの大切な人に自分の問題点を見つめさせ自己改善意欲を喚起するとともに、健全な生活習慣の育成、食生活の健全化、生活リズムの回復、学習・勤労習慣の育成、職業教育・資格取得など社会復帰に役立つ教育が行われます

審判の処分を左右する主な要素は次の3つです。
・ 観護措置期間の少年鑑別所からの報告書
・ 家庭裁判所調査官からの意見書
・ 付添人弁護士から提出される意見書

当事務所では少年事件の性質も考慮した上で、あなたの大切な人が再び同じ非行を犯さないよう、生活環境の再構築についてあなたと二人三脚で臨みます。また、家庭裁判所調査官、裁判官との面接も行い、あなたの大切な人が人生をやり直すには家庭における更生が第一であることを理解してもらえるよう努力いたします

当事務所では非行事実なしを主張される事件について弁護人の実況見分を行い裁判所に提出するなど、あなたの大切な人が非行をしていないことを証明する事実を裁判所に提出し、審判で断固たる付添人活動を行うことをお約束いたします

※観護措置期間では十分に少年の処分を見極められない場合、試験観察となります。一度、あなたの大切な人を家庭に戻し、家庭での過ごし方を調査した上で後日、あらためて審判を開き、“少年院送致と保護観察のどちらが相当か”を裁判官が判断し直します。